ひょんなことからルームチューニングが施されてしまった、というお話
我が家のメインのオーディオは、私の寝室に設置している。
で、その寝室は、リスニングポジション背面の壁の大部分がクローゼット、左面の壁の大部分が押入れになっており、いずれもスライドできる2枚折り戸数枚で区切られている。
先日、こもった熱を逃がすため、クローゼット、押入れの両方を全開放したところ、部屋の音響特性が激変した。
部屋の真ん中で出す自分の声もどこかに吸い込まれてしまうようで、無響室に一歩近づいた感じ。
この状態でオーディオを鳴らすと音が少しすっきりし、以前から鳴りが今ひとつと気になっていた、ある特定の曲における、低音の弦楽器やトライアングルの音が好ましい状態になった。
現代オーディオにおけるルームチューニングは、過度な吸音よりも、吸音と拡散のバランスを取るのがセオリーとされている。
そういう意味では、自分の声の吸い込まれ方に違和感を覚えるというのは吸音し過ぎなのかもしれない。
まあそれは折り戸の開閉で調整できるかな、と思っている。
部屋の2面を木の扉の集合体から、服やら布団やら何かと吸音するものに変えたのだから、音響特性はそりゃ当然変わるだろうとリクツでは分かっていたが、それでも実際にそれなりの変化を耳で感じるとやはり驚かされる。
ルームチューニングは大事。侮るなかれ、間接音。である。
費用0で実現したお手軽ルームチューニングではあるが、これを楽しめるのは日が暮れてから。
なぜなら、そもそもクローゼットや押入れというのは中のものが日に焼けないようにするのが大事な役目の一つであり、昼間から開放していたらその役目を果たせないからである。
ルームチューニングについては、リーズナブルかつ部屋の使い心地に悪影響を与えない範囲で、いずれじっくりと詰めていきたいと思っている。